2013年08月20日

Sharon Forrester / Sharon (1974)

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待望の初CD化。アルバムジャケットのキュートな佇まいも印象的な、ジャマイカ出身の歌姫が紡ぐ1stアルバムは、ジェイムズ・テイラー「Don't Let Me Be Lonely Tonight」や、ヴァレリー・シンプソンの「Silly, Wasn't I ?」など、バラエティに富んだカヴァーが光る一枚。耳に残るレゲエ調のテイストも、それがことさら強調されるのではなく、ポップな魔法をかけられたスウィートな居心地としてスッと体に馴染んでくる。元ゴンザレスでトリニダード・トバゴ出身のリチャード・ベイリーや、彼の実兄でオシビサの鍵盤奏者ロバート・ベイリーのほか、ジャマイカ出身のフィル・チェン(B)、ジェフリー・チャン(Key)など、英国で活動するカリブ色ゆたかな手練たちの緩急あるバックアップが功を奏した要因かも。ロバートやジェフリーらが奏でるエレピの音色も、みずみずしい彼女の歌声を優しく包みこむ。自作曲「Clothe My Lonely Body」でみせるソウルフィーリングは、ただ可憐なだけでない彼女のポテンシャル。仄かに香る感情表現に、心トキメク高揚がしっかりと息づいている。


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2013年08月16日

Marlena Shaw / From The Depths Of My Soul (1973)

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映画のワンシーンを描くかのように全編を紡ぐウェイド・マーカス指揮による荘厳なオーケストレーションと、コーネル・デュプリー(G)、ヒュー・マクラッケン(G)、ウィルバー・バスコム(B)、グラディ・テイト(Dr)ら東海岸の敏腕による弾力感たっぷりな剛健バッキングの重厚さを、軽妙に緩和しながら彩りを添えるデレク・スミスのエレピ。それらをしなやかに包みこむ豊潤なマリーナの歌声は実にまぶしい。ロニー・ダイソンの「Just Don't Want To Be Lonely」や、ランディ・エデルマン作の2曲「The Laughter And The Tears」と「Waterfall」など、ため息こぼれるカヴァーの解釈にも拍手。2年後世に出る名作『Who Is This Bitch, Anyway?』とは異なる肌合いなれど、ジャズとソウルとポップスの垣根を越える蜜月の萌芽は十分。その序章がここにある。


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2013年08月07日

Cannonball Adderley / The Happy People (1972)

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アイアート・モレイラやキング・エリソンらによるラテンの血肉がゴツゴツとしたリズムの高揚をやわらかく加速。かと思えば、混迷と渾沌を行き交うジャズの水脈がフリーキーな肌触りとともに漆黒の姿をのぞかせる。デヴィッド・アクセルロッドのアレンジ指揮による長尺ナンバー「Savor」は、寡黙に支えるチャック・レイニーのベースや、ワウペダルを駆使し弾力感溢れる生々しいフレーズを連射するデヴィッド・T・ウォーカーのギターとともに、決して表舞台に陣取るわけではなく、主役アダレイのサックスに追いつき追い越しの静かな存在感で絡みつくジョージ・デュークのエレピが、バンドアンサンブルの階層を熱を帯びながら交差。アルバム表題曲のエンディング間際にひっそりと描かれるデュークの跳ねた鍵盤さばきを目の当たりにすると、クールな洪水に沸々とした熱量が宿るトリップ感覚は、決して先の見えない闇ではなく、彩りを待つ躍動の共鳴だと思いたくなる。

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また一人、偉大な鍵盤奏者が天国に召されました。

R.I.P. George Duke



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