2015年09月08日

さようなら、鳴海寛さん

ギタリスト鳴海寛さんが亡くなった。

その存在を知ったきっかけは、
山下達郎のライヴアルバム『JOY』で聴けるギターだった。
David T. Walkerが乗り移ったかのようなプレイスタイルに
心底衝撃を受けた。

鳴海さんのことをもっと知りたいと思った。
でも、しばらくは満足のいく情報は得られなかった。
そんな折り、
鳴海さんのウェブサイトが2004年に突如として立ち上がった。
いまはもう閉じられているそのサイトで、
自主制作のCDが販売されているのを知り、
すぐさま、
David T. Walkerのファンであることを自己紹介がてらメッセージとして添え、
購入手続きをした。

CDはすぐに送られてきた。
封をあけると、CDのほかに、
David Tへの思いを綴った、直筆の手紙が同封されていた。
さりげなく淡々とした筆致ではあったものの、
David T. Walkerへの敬愛の思いが行間にあふれていた。
こんなことを人に伝えるのははじめてのことだ、とも記されていた。

すぐに鳴海さんに連絡し、
会って話を聞かせていただくことを懇願した。

鳴海さん地元のうなぎ屋で、
David Tのことを「先生」と呼ぶ鳴海さんと3時間超、
David Tへの思いや音楽観を、
存分に聞かせてもらった話が以下のURLの内容だ。
http://homepage2.nifty.com/ueb/davidt/sft08_01.html

その後、2007年にDavid Tの来日公演を鳴海さんと観に行き、
終演後、一緒に楽屋でDavid Tに挨拶したとき、
短い時間ではあったけど、
子どものように目を輝かせ、
先生を前に緊張しながらも興奮を隠せずにいた鳴海さんの姿が
とても印象的だった。

あるいは、
山川恵津子さんとのデュオユニット「東北新幹線」唯一のアルバム
『THRU TRAFFIC』に鳴海さんが忍ばせた、
David T. Walkerファンだからこそわかりあえる
オマージュの幾つかをそっと言い当てたときの、
テンション高く僕を見つめる鳴海さんの満面の笑みも、
忘れることのできない表情だ。

そうかと思えば、3年ほどまえ、
David Tのことで心の中に引っ掛かっていてことがようやくわかったと、
鳴海さんから夜中に突然電話がかかってきて長電話をしたことも、
鳴海さんらしい微笑ましい思い出だと勝手に思っている。

ギタリストとしてだけでなく
鍵盤奏者、ヴォーカリスト、作曲家、アレンジャーとして、
音楽を多面的に形作る非凡な才覚とセンス。
先日行われた、近しい関係者による「鳴海さんを送る会」で聞けた、
音楽関係者やご友人ほか皆さんによる鳴海さんへの言葉一つ一つが、
天才肌で繊細な感性の「音楽家」であることを物語ってもいた。

体調が良くないことは聞いてたけど、
ようやく復調の兆しもみえ、またこれから、というときの訃報。
本当に残念でなりません。

心よりご冥福をお祈りします。


posted by ウエヤマ at 00:27| Comment(0) | Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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