2013年04月08日

Paul Horn / Visions (1974)

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フルート、サックス、クラリネットを美しく操るポール・ホーンが74年に残した流暢で歯切れのいいジャズファンク。デヴィッド・クロスビー「Song With No Words」やジョニ・ミッチェル「Blue」、バトゥー「High Tide」など、プロデュースを務めるヘンリー・レビーが原曲でも関与したカヴァー曲で占められる構成の中、スティーヴィー・ワンダーの名盤『Innervisions』から「Too High」「Visions」「Living For The City」の3曲がチョイスされる異色ぶり。バックアップするマックス・ベネット、ラリー・カールトン、トム・スコットら西海岸勢と、リード楽器を駆使し歌メロと呼応する主役ホーンの解釈は、時折り雄々しくたのもしくも奇抜さに頼らない極めてナチュラルな彩り。軽やかなタッチでバックアップに徹し溶け込むジョー・サンプルのエレピが、バンドアンサンブルのグルーヴにひっそりと貢献する姿も実に粋。


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2013年04月02日

Phoebe Snow / Second Childhood (1976)

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個性的なファルセットヴォイスとヴィブラートを携え、幾重にも重なる透明感ある歌声が紡ぐフィービーの2ndアルバムは、娘ヴァレリーに捧げた内省的な色合い濃い一枚。日々の情感を自らの言葉で奏でるしなやかな器量は、軽度な刺激とともに聴き手を柔らかく包みこむ。多面的な彼女の音楽性に呼応する東海岸の腕利きによるシルクの肌触りは、大ヒットした前作に続き制作指揮をとるフィル・ラモーンの的確な仕事ぶり。リチャード・ティーやケン・アッシャーら鍵盤奏者による淡く浮遊するエレピの音色も、フィービーのアコースティックな質感とナチュラルに調和。グラディ・テイト、ゴードン・エドワーズ、ヒュー・マクラッケンらが琥珀色に描く「Sweet Disposition」でのコクのある妙味や、ドン・グロルニックのエレピが印象的な「No Regrets」でのジャジーでブルージーな感性など、バラエティに富む音世界は、適度な湿度を保ちながら彼女の心持ちをしっとりと映し出していく。


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ヒュー・マクラッケンとフィル・ラモーン、相次ぐ訃報が。

むこうでみんな楽しく、セッションしててほしいですね。

ご冥福をお祈りします。


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2013年03月31日

宮本典子 with 鈴木勲 / Push (1978)

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暖かくそして刺激的にバンドアンサンブルを包むクールビューティのきらめき。プロデューサーも兼ねる鈴木勲のウッドベースが強い輪郭の音色で牽引しながら、メンバーたちが凌ぎを削り紡ぐ端正なサウンドによって、ジャジーでしなやかなソウルフィーリングは自在な鼓動を携え羽ばたく。ハイライトは、前年に笠井紀美子が『Tokyo Special』でアンニュイに日本語詞でうたった「My Life(やりかけの人生)」。軽やかでしっとりした表情豊かな歌声とともにフィーチャーされた、秋山一将の息を呑む流麗なギターと、抑制と高揚が交差する笹路正徳のエレピによる躍動は、まるでジョージ・ベンソンの名盤『Breezin'』収録の「Affirmation」で聴けるベンソンとホルへ・ダルトの名演を思わせる横揺れ必至の極上グルーヴ。70年代半ばに席巻したクロスオーヴァーの潮流に真っ向勝負で返答した若きバンドマンたちのミラクルな感性と意気を、じっくりとかじりつきで感じたい。2013年、待望のCD化。


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2013年03月20日

The Singers Unlimited / Feeling Free (1975)

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均整のとれたアカペラではじまるスティーヴィー・ワンダーの「You Are The Sunshine Of My Life」から、厚みあるパット・ウィリアムス楽団と縦横無尽に重なり合うコーラス&ハーモニーが、キュートでキレキレのスイングを一気に加速。ツボを押さえたデニス・バドマイアーのギターを携え複雑にリズムが変化するスタンダード「Green Dolphin Street」や、ボサノヴァ風味に甘く料理されたロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイの名曲カヴァー「Where Is The Love」をはじめ、ジョン・ゲリンやヴィクター・フェルドマンら堅実なリズム隊が支える、スリルたっぷりの美しすぎる歌声にほぼ全編寄り添うクレア・フィッシャーのフェンダーローズは、高揚を淡い呼吸でくるみ抑制しながら、広がりある音空間として小気味良く演出。青い空に舞う文字通り“フィーリング・フリー”の緩急に、心拍数のメーターは動揺しっぱなしで振り切れっぱなし。


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2013年02月25日

David T. Walker来日公演2013が大盛況のうちに閉幕!


2013年2月の、David T. Walker 来日公演が終了しました。

今年もまたやられました。

最高でした。

年齢を感じさせない、
元気いっぱいの姿に、
全力投球の振る舞いに、
あらためて惚れ惚れしました。

年々、凄みが増しているようにも思います。

てなわけで、
セットリストとレポートをアップしました!
http://homepage2.nifty.com/ueb/davidt/liveinjapan2013.html



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2013年02月13日

Soul Media / Funky Stuff (1974)

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サックスプレイヤー稲垣次郎が率いるジャズ集団ソウル・メディアによる、グルーヴ感際立つ一枚。クルセイダーズ「Scrach」や、クール&ザ・ギャング「Funky Stuff」といったカヴァー曲を威風堂々料理してみせる手腕もさることながら、自身が手掛けるフェンダーローズの効用を見通し、残る全曲を手掛けた鈴木宏昌の芯の通った楽曲づくりの鮮やかさたるや。「Painted Paradise」や「Breeze」をはじめ、全編硬軟自在の弾力感と粒立ちの揃ったキレで迫る岡沢章による重心低いベース音は、エレクトリックベースのお手本という賛辞では物足りないほど生々しい肌触りで端正な躍動を描き、クールなエレピの包容力は、紡がれる音の起伏を柔らかく抑制する。白や黒なんて関係ない。70年代に残された和モノジャズという形容がまったく余計に思えるほど、これぞジャズファンクだと高らかに宣言したい鮮度の高い高揚とガッツが、アンサンブルの行間から溢れんばかりに宿っている。


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2013年02月05日

Percy Faith / Corazon (1973)

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キャロル・キングのタイトル曲カヴァーをはじめ、時代の要請にインストミュージック界の巨匠がアール・パーマーやジョー・オズボーンらを従え全方位で挑んだ一枚。映画「燃えよドラゴンのテーマ」のカヴァーでは、粘っこいオルガンを奏でるビル・メイズと、その横で歯切れ良く転がるエレピを奏でるクラーク・ガスマンのツイン鍵盤が疾走感に満ちたアンサンブルを的確に加速。フレディ・ハバードの「First Light」では今度はビル・メイズが流れるようなエレピで、オーケストレーションによる広がりある音空間をグッと近くに引き寄せる。イージーリスニングとジャズファンクの挟間を、時代の空気を逃さないポピュラリティで行き交いながら軽く渡り合う度量の広さこそ彼ら職人集団の真骨頂。


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2013年01月12日

Michael Franks / The Art Of Tea (1975)

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キレのあるデヴィッド・サンボーンのサックスソロが仄かな躍動を演出する「Monkey See, Monkey Do」や、マイケル・ブレッカーのサックスが落ち着きあるスウィング感を誘う「Jive」など、曇りなき美意識とともに開花したトミー・リピューマ&ニック・デカロによるクリアで粒立ちのよいサウンドの舵取りは、身幅の合った仕立ての良いスーツをまとう、緊張感と安堵がさりげなく緻密に交差する居心地のよう。ラリー・カールトンが紡ぐ感度抜群の抑制されたギターソロにそっと寄り添うジョー・サンプルのエレピが、心とろける佇まいを演出する「Nightmoves」の白眉ときたら。フェードアウトし小さく消えゆく音像の中、ジョン・ゲリンのドラミングが8ビートへと変化するところで芽生える、その先に続いたであろう豊かなアンサンブルへの憧憬に、いつも頬は緩みっぱなしなのだ。


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2013年01月04日

Blue Mitchell / Stratosonic Nuances (1975)

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ジャズファンク路線が開花する70年代前半のメインストリーム期を経てRCAに舞台を移したトランペット奏者ブルー・ミッチェルの75年盤は、バリー・ホワイトの「Satin Soul」やスティーヴィー・ワンダー「Creepin」など、よりポップな色合いが加味され広範囲なジャンルをのみ込んだ居心地良いフィーリングのグルーヴナンバーがズラリ。押さえどころを逃さず弾力感たっぷりに繰り出すデヴィッド・T・ウォーカーのしなやかなギターバッキングと、余裕のふところ深さで応える主役ミッチェルの高らかなペットの共演は有無を言わせぬ安定感。軽妙なグルーヴを描く「Bump It」ではシダー・ウォルトンの深みのある音色のエレピが宙を舞い、セロニアス・モンクの「Nutty」やラストを飾る「Melody For Thelma」ではハンプトン・ホーズによる温度差の少ない流暢なエレピが披露されるなど、まろやかな鍵盤楽器の抑制が親しみやすさを静かに演出している。

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新年あけましておめでとうございます。
今年も刺激的でワクワクする音楽と出会えますように!

こんばんは、音盤話。
どうぞよろしくお願いします。

ウエヤマシュウジ


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2012年12月30日

Antonio Carlos Jobim / Stone Flower (1970)

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ロン・カーター、ヒューバート・ロウズらCTIレーベルを支える腕利きとともに主役ジョビンの曇りなき美学とクールな佇まいが見事に立体交差した愛すべき一枚。共鳴音の少ない淡白なエレピの音色があらたな息吹を注ぐスタンダード「Brazil」のしとやかな高揚と、逆にエフェクト処理で浮遊感を演出するエレピの音色が心を落ち着かせる「Andorinha」の甘美な気品。エウミール・デオダートのアレンジワークで精緻に紡がれるリズムと、巧妙なコードワークで隙き間を描くジョビン流抑制の美意識は、CTIらしい音作り、の一言で語り終えるには惜しいほど、聴き手を穏やかな心持ちへといざなう。演者のプレイにも自然体に影響を及ぼしたであろう、仄かな緊張感を伴った繊細を力みのない朴訥とした風貌で描くジョビンの魅力が、ボサノヴァの名手という冠を飛び越える音楽愛に満ちたロマンティックな表情で、こぼれ落ちそうなほど溢れている。


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2012年12月21日

Neil Young / On The Beach (1974)

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失意と希望の間を揺れる明日への憧憬。リヴォン・ヘルムとリック・ダンコがふくよかなリズムを紡ぐ「Revolution Blues」では変化への憂いをうたい、再結成バーズの73年作『The Byrds』でも採り上げられた「See The Sky About To Rain」では、ベン・キースのスティールギターとともに、ヤングが奏でるウーリッツァーピアノの淡い音色が、崩れ落ちそうな心境を気丈な振る舞いであたたかく支える。重心低く鎮座するクレイジー・ホースのリズムに導かれ音数少なく切迫するギターの輪郭をグレアム・ナッシュのエレピが柔らかく包む表題作では、悲観の淵に佇む主人公の視線をメジャー7thコードを織り込んだメロディに重ね合わせ“一人マイクに向かう”と寂寥と光明を滲ます。一人ビーチに佇む後ろ姿に残されたのは歩み続けることだけ。その決意は、繰り返される暗喩に満ちたフレーズとともに緩やかな歩調で描かれていく。


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2012年12月16日

Odell Brown / Odell Brown (1974)

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オルガン奏者オーデル・ブラウンが、カデット時代を経てポーラレーベルからリリースした一枚は、ほぼ全編に渡って繰り広げられるブラウンのエレピを軸とした柔らかいメロウネスと体の芯を刺激するリズムの立ったジャズファンク。スティーヴィー・ワンダー作の「I Love Every Little Thing About You」をはじめ、随所にオルガンの音色も織り込みエレピとの共存を果たすサウンドは、ベーシックなリズム楽器と彩りを添える管楽器とをまろやかなグルーヴで包みこむ。ミディアムテンポの「Tasha」や「Simizzoke」などで聴ける、押し付けがましさ皆無のナチュラルな躍動に、職人気質のキーボード奏者としてだけでないアンサンブルのツボを心得た感性が点在。そのバランス感覚は、マーヴィン・ゲイからもラヴコール。ライヴへの参加も果たし、名曲「Sexual Healing」を生むに至る。


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2012年12月01日

Mal Waldron / The Call (1971)

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メンバーとして参加を果たすエンブリオの面々とがっぷり四つに対峙したマル・ウォルドロンのエレクトリック・ジャズロック。スピリチュアルでプログレ的風貌の音空間が淡々としたテンションの強弱で紆余曲折に染めるストーリーは、20分近い長尺ナンバー2曲という壮大さで鎮座し時間の流れを完全支配する。ジミー・ジャクソンの熱量あるオルガンをはじめ、抑制と高揚が交差するアンサンブルに、クールに身をまとったエレピの音色が押し退きの美学で深遠な内面世界を刻々とえぐりながら描写。なかなかお目にかかれないウォルドロンのエレピに、ビリー・ホリデイやチャールズ・ミンガスとの共演時代とは一線を画す、一筋縄ではいかない鍵盤楽器へのこだわりと哲学が、炭火のごとく深くゴツゴツとたぎっている。


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2012年11月24日

Joanne Grauer / Introducing Lorraine Feather (1978)

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音楽プロデューサーにしてジャズ評論家レナード・フェザー製作指揮による、その娘ロレイン・フェザーをシンガーとして起用した女流ピアニストの一枚。シンコペーションとリリカルな風情を、流暢なフレージングで交差させるグラウアーの生ピアノがほぼ全編に渡って力強く彩られるなか、映画『スター誕生』のテーマ曲「Evergreen」のカヴァーやフリップ・ヌネイス作の名曲「See You Later」では、輪郭の丸い柔らかなアタック感のエレピを駆使。激しく躍動する音色のバラエティは、単なる音数の多さに終始しない、聴き流すと痛い目にあう説得力に満ちた饒舌。74年にひっそりとリリースされたソロ作ではエレピで挑んだ「Frog Child」のリメイクでは、今度は生ピアノで弾力感に満ちたグルーヴを紡ぐ。この使い分けの対比に、鍵盤奏者としてアンサンブルに立ち向かうガッツと秘めたるプライドを感じたいのだ。


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2012年11月19日

Art Farmer / Gentle Eyes (1972)

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トランペッターでありフリューゲルホーン奏者のアート・ファーマーがウィーンで録音したメインストリームからの異色の一枚は、オーケストレーションを従えた仄かな刺激が香る意欲作。平穏と緊張が邂逅するカーペンターズ「We've Only Just Begun」のカヴァーは重心低い弛緩がしっとりと揺らめき、小気味良いリズムと流麗なストリングス隊が反復する「Soulsides」では、感情の高ぶりをグッと抑制するフリッツ・パウアーが奏でるクールなエレピの音色を、ファーマーのホーンが高らかに柔らかく包み込む。安寧と高揚が内面の階層を穏やかに上下する、どこまでも浸っていたくなる趣きに時計は似合わない。優しい眼差しに心奪われること必至のフェイヴァリット。


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2012年11月14日

Flip Nunez / My Own Time And Space (1976)

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タイトルとアートワークから想像されるスペイシー感覚はもとより、ここにあるのはオルガンとエレキギターが疾走するラテンテイストやミディアムテンポの粘り気あるファンクテイストが混在するバラエティ豊かなグルーヴの深遠。ラテンロックバンド「アステカ」の鍵盤奏者ヌネイスが紡ぐスピリチュアルな音世界は、静かに脈打つ軽妙な高揚と空間的広がりをエレピを駆使しながら神秘的に両立。ジョアン・グラウアーもカヴァーした名曲「See You Later」で聴けるフェンダーローズは、マイケル・ハウエルの端正で強い輪郭のギターワークと味わい深いヌネイスの歌声をおおらかに重ねながらリリカルな鼓動に昇華する特効薬。時空を超えるという観念表現を安易に求めない、“地に足の着いた浮遊感覚”という相反する交錯のメロウネスに服用制限は皆無だ。

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2012年11月10日

David T. Works Vol.55


「David T. Walker Japan Website」を更新。
「David T. Works Vol.55」をアップしました!
http://homepage2.nifty.com/ueb/davidt/works55.html
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2012年11月07日

Ana Mazzotti / Ana Mazzotti (1974)

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ラテンフュージョンの第一人者アジムスがデビュー前に完全バックアップしたという逸話を含め、ロバータ・フラックの「Feel Like Making Love」カヴァーを収録したレア盤として90年代に再評価された一枚。だがここにあるのは、それだけで語り終えるのはもったいないほど、ほとばしる熱量とクールな佇まいが混在する、ゴツゴツとした感触で繊細な内面を映し出す躍動と高揚だ。アジムスの鍵盤奏者ホセ・ロベルト・ベルトラミが奏でるエレピは、付かず離れずの距離感でどこまでも優しく寄り添う。その豊潤さを前にすると、ブラジル音楽というカテゴライズを一瞬でも忘れ、メロウな歌声と良質な伴奏者たちが描くアンサンブルの居心地と音楽的冒険心を、ひたすら浴びるように感じたくなるのだ。

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2012年11月03日

Blossom Dearie / Sings Volume 1 (1973)

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天使の歌声と小編成のアンサンブルに宿る不思議な躍動感。小粋でシンプルなボブ・ドロウの仕立ては、何度も読んだとびきり素敵な短編小説を久しぶりに本棚から手にとり、お気に入りの場所に座って読み始める、夢うつつのひとときのよう。「さあ、肩のチカラを抜いて、たまにはリラックスよ」と優しく諭されピリリと背筋が伸びるような、まどろみと目覚めを行き来する可憐な歌声。か細いヴォイスとなめてかかると痛い目にあう、そこかしこにひっそりと佇むジャズやソウルの凛としたフィーリング。エレピで弾き語る「I Like You, You're Nice」のさり気なさ、じわりくる説得力。魔法にかかる心構えはいつだって傍らに付き添っている。

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2012年10月27日

佐藤博 / Time (1977)

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軽妙でトロピカルなリズムが通り過ぎるひととき。移りかわる心象風景の断片は、ティンパン系やハックルバックらほか旧知の面々と手探りの緊張感を伴いながら、気負いなく渡り合った多彩な強弱あるアンサンブルによって、空想と日常を行きつ戻りつしながらゆるやかに編まれていく。せつなさと気怠さを小気味良い陽気さで紡ぐ「最後の手品」は、“愛はもう もぬけのから”と、照れ隠しのように歌う主人公の心持ちを、タイムファイヴのハーモニーと跳ねるエレピの音色が円やかに包み込み、寄り道しながら淡い描写で核心に迫る。目の前の風景は何も変わってないようにみえてきっとたぶん変わっている。あの種明かしはいつのことだったっけ。

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佐藤博さんが亡くなられたそうです。
素晴らしい才能がまた一つ失われました。

心よりご冥福をお祈りします。


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