2012年10月25日

Kenny Burrell / 'Round Midnight (1972)

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50年代から永きキャリアを重ねるジャズ界の巨匠ギタリストが、当時席巻したソウルジャズに挑んだ意欲作。感情の高低差を特徴的な音階とフレーズで表情豊かに行き来するバレルのギターはいつでも味わい深く、重なるエレピがその表情を一層まろやかなものに仕立てる。「A Streetcar Named Desire」ほかで聴けるリチャード・ワイアンズの複合的な粒立ちのエレピと、アルバム表題曲でジョー・サンプルが奏でるシンプルな共鳴音のエレピとが残す趣きの違いもさることながら、どこまでも端正な表情でうた心溢れるギターの美しさは、時代の移り変わりとは無縁の境地に達していることを瞬時に思い起こさせる圧巻の存在感だ。

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2012年10月22日

David T. Walker 来日公演2013決定!

決まりましたっ!

David T. Walker 来日公演2013

・大阪公演
 日程:2013年2月21日(木)
 会場:ビルボードライブ大阪
・東京公演
 日程:2013年2月23日(土), 24日(日)
 会場:ビルボードライブ東京

http://homepage2.nifty.com/ueb/davidt/index.html

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2012年10月19日

Michael Johnson / There Is A Breeze (1973)

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フォークやカントリーに、ジャズ、クラシック音楽のエッセンスをのみ込みんだ12のストーリー。アコースティックギターを武器に紡ぐマイケル・ジョンソンの処女作から聴こえてくるのは、クリス・デドリックやフィル・ラモーン、ピーター・ヤーロウらが関与した無駄のないアンサンブルと、地に足のついた豊かで深みある音楽力のたくましさ。クリアな臨場感が運ぶ重心の低い主役ジョンソンの歌声に浸りたくなるのは、喧噪静まるひんやりとした夜の静寂。「I Got You Covered」でのみで聴ける円みを帯びた輪郭で感情の揺れを描くフィル・マーコヴィッツのフェンダーローズは、小気味良いパーカッションと疾走するキレ味鋭いアコギの音色に共鳴し、メランコリックで広がりある空間を描きだす。アコースティックな音世界にエレピの深い余韻はどこまでもよく似合う。

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2012年10月16日

Kenny Barron / Lucifer (1975)

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管楽器を加え彩り豊かなリズムで描くMuseでのソロ3作目。腰の据わったテンポのジャズファンク「Spirits」や、ラテン色香る「Firefly」をはじめ、親しみやすいアレンジの楽曲が顔を揃えたかと思いきや、若きカルロス・アロマーのノイジーなギターが炸裂するアルバムタイトル曲など、スピリチュアルジャズ路線を幅広く解釈した趣きの異なる静と動のバラエティに、主役バロンの鍵盤も全編通して硬軟自在に同調。鋭角な音色を柔らかく馴染ます淡いタッチから、アタック音と広がりを活かしたタッチまで、幾通りもの輪郭で描くエレピの多彩さも、シンセや生ピアノを含めた鍵盤楽器表現の可能性に緩急つけて挑んだ証し。天使と悪魔は互いに彷徨いながらもその距離を一歩近づけた。

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2012年10月12日

Ramsey Lewis / Solar Wind (1974)

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カデットからコロンビア時代へと移り変わる70年代ラムゼイのエレピ眼力は半端ではない。敢えて生ピアノをむこうに廻し、伝道師のごとくエレピの魅力を自ら体現してみせた強靭さは、スティーヴ・クロッパー制作指揮の本作でもよどみなく開眼。シールズ&クロフツの「Hummingbird」や「Summer Breeze」のダウナーな佇まいや、エルトン・ジョンの「Come Down In Time」で聴ける混迷感極まるスピリチュアルテイストなど、弾力感たっぷりなクリーヴランド・イートンのベースと相性たっぷりに、あらゆる手腕でエレピのポテンシャルを引き出し語り尽くす。同年リリースの次作『Sun Goddess』で開花するキャッチーな洗練を、サングラスの下に隠された視線が力強く見据えている。

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2012年10月10日

Azymuth / Light As A Feather (1979)

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先鋭的ブラジリアンフュージョンの第一人者がマイルストーンからリリースした本作は、一世を風靡したFM番組「クロスオーバーイレブン」のテーマ曲としても馴染みのある「Fly Over The Horizon」を収録した一枚。そのほかにも、強調されたベース音が特徴的な「Partido Alto」や、高速サンバ「This Exists」をはじめ、多彩に脈打つメリハリの効いたリズムの楽曲がズラリ。その一翼を担うホセ・ロベルト・ベルトラミによってほぼ全編に奏でられるエレピの音色は、うねるシンセと重なりながら硬質な混迷と安堵の挟間を自在に行き来し、柔らかな佇まいのアンサンブルに昇華させる見事な魔法をじわりじわりとかけてくる。その刺激、効き目は抜群です。

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2012年10月07日

Bill Evans / New Conversations (1978)

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ビル・エヴァンスはエレピを弾いたアルバムを幾つか残しているが、これもその一枚。過去『Conversations With Myself』でも試みたアコースティックピアノによる一人多重録音同様、ここで聴けるのはあらたにエレピを起用した一人二役。「Song For Helen」や「Nobody Else But Me」など、生ピアノとエレピを同時に発する神秘的な光景は、異なる鍵盤の語法で自己と向き合いながら立体的な空間をうみだす創造性豊かなチャレンジ。ライヴで現実化することはできない試みだが、それだけにレコーディングメディアでしかなし得ない、どこまでも端正な音色の共演によるミラクルと葛藤が愛おしく響く。二人のエヴァンスが互いに見つめた視線の先に、どんな風景が交差したんだろうか。
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2012年10月05日

Kenny Burrell / God Bless The Child (1971)

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ひんやりとした静寂とピリリとした硬質な音空間に、メロウで端正なギターはよく似合う。ヒューバート・ロウズ、フレディ・ハバード、ビリー・コブハムらCTI人脈が顔を揃えたケニー・バレルの71年作は、雄弁にうたうエッジの円やかなギターが圧倒的な存在感で鎮座。その傍らに気配を隠すようにそっと寄り添うエレピの音色は、紡がれる物語を次のページへと進める原動力のごとく背景を描写。アルバムタイトルにもなったビリー・ホリデイの名曲に対峙するバレル流解釈に、微動だにしない引きの美学で呼応するリチャード・ワイアンズのエレピは、特徴的な音色を主張しない状況下でもしっかりと印象を残すミラクルを実にサラリとやってのけている。

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2012年10月02日

Stan Getz / Captain Marvel (1975)

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リリースより3年前の72年に録音された本作は、ラテン/ボサノヴァ色が比較的薄い、時代の変遷にいち早く向き合った勘どころの良さが滲むエレキ・ジャズ。奔放ながらも的確な躍動感で刻むスタンリー・クラークのベースと、随所でツボを得たアクセントを効かすアイアート・モレイラのパーカッション、そして淡白ながらも熱を帯びた円みあるエッジで饒舌に奏でるチック・コリアのエレピ、すなわちリターン・トゥ・フォーエヴァーの面々が織り成すアンサンブルと、激しく鼓動するトニー・ウィリアムスのドラミングとが自在なゲッツのサックス絵筆を追随するかのように、抑制と高揚が交差する音風景を描く。重々しくなりすぎないメロウで軽妙なタッチにも、どこか叙情的な香りを残す主役ゲッツの意地と余裕が巧妙にブレンドされた柔らかな貫禄漂う一枚。

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2012年09月29日

Hampton Hawes / Northern Windows (1974)

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プレスティッジでの最終作となる本作は、スピリチュアル色が薄まりクロスオーヴァー/ジャズファンク路線へと親しみやすさを増した一枚。ホーンセクションを起用したデヴィッド・アクセルロッド指揮のアンサンブルは、キャロル・ケイとスパイダー・ウェブのリズム隊が織り成す堅実なボトムも功を奏し、主役ホーズもあけっぴろげの大胆さで気負いのない鍵盤プレイを披露。エレピと生ピアノをほぼ半々に使い分けた配置は、エレピ特有の音像とピアノ本来の音色へのこだわりを一旦棚上げするかのような鍵盤楽器愛あふれるおおらかなグルーヴを描いた。エレピと渡り合った格闘の日々は、再びホーズをピアノへの探求の旅へと向かわせた必然の時間だったのかもしれない。

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2012年09月23日

Hampton Hawes / Universe (1972)

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ひと味違うアタック音の響き。その輪郭はエレピ特有の面取りされた円やかさでアンサンブルに溶け込む一方、端正な表情で自己主張するエッジの鋭い音像をも持ち合わす。チャック・レイニーやンドゥグ・チャンスラーら若い世代が紡ぐ躍動するグルーヴと、フェンダーローズとウーリッツアーを使い分けながら描く繊細な浮遊感との交差は、メロウに揺れるファンクネスの片鱗を浮かび上がらせる。長いキャリアの中でプレスティッジでの本作をはじめ70年代のわずかな期間で聴けるホーズのエレピは、時代の要請に難なく応えた凄腕の余裕であり、鍵盤楽器の音響的効果にホーズ流往復書簡で対話した挑戦の一コマでもある。
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2012年09月17日

Ahmad Jamal / Steppin Out With A Dream (1976)

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ピアノアンサンブルを基調としながら随所にエレピをアクセントに効かせる、深遠と柔和の均整のとれた交差。21th Centuryレコード在籍期に本格化するエレピ時代の一角をなす76年リリースの本作も、クロスオーヴァー/フュージョン時代の到来に、行きつ戻りつのオレ流的手腕で対峙してみせた静かなる意欲作。「Tucson」や「Crossfire」で聴ける、カルヴィン・キーズの躍動感あふれる黒いギターと巧妙な押し退きで対話するジャマルのエレピは、時代との渡り合いを抑制された丁々発止で切り開こうとする腰の座った力強さと繊細さに満ちている。

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2012年09月11日

バート・バカラック at BBL Tokyo


ステージ中央にセットされたピアノ。
スニーカーを履いた気負いのないスタイルに
どこまでも柔らかなタッチで
時折り立ち上がって鍵盤をたたく姿は
失礼を承知の上であえていうなら
実にお茶目でキュートな佇まい。

気心知れた若き音楽仲間に囲まれたバカラック家で催される
いつもの楽しい宴におじゃまさせてもらったかのような
やわらかい居心地の良さを感じるステージ。

かと思えば、
バカラックの手のひと振りで
全員が機敏に演奏体制に入ったりすぐさま起立したり
仄かな緊張感の香る“バカラック楽団”然とした趣きが
ステージ全体の空気をピリリと引き締める。

そこには気取った雰囲気や洒落っ気を
あからさまに押し出す無粋とは無縁の
きちんと練られたステージングだからこそ感じ得る
厳しさの中にも暖かい眼差しが行き届いた
こころ高鳴る「音楽」しかなかった。

名曲のオンパレードが次々と奏でられ続くなか
ステージ終盤に奏でられた「Alfie」。

複雑に変化するコード展開と
高音部と低音部を何度も上下するメロディラインは
人生の喜怒哀楽、悲喜交々、艱難辛苦を問う
ハル・デヴィッドの普遍的で哲学的な歌詞世界に
「音の連なり」という言語で見事に呼応し
優しく対話してみせたバカラックの
クリエイティヴィティ溢れる心意気だと受け取りたい
思い入れたっぷりの大好きな一曲だ。

だからこうなることはわかってはいたけど
声にならない声を絞り出し
だけど力みを感じさせず
何度となく口ずさんだ日常の一コマのような
サラリとした情感の込め方で弾き語るこの一曲に
何度も何度も震えと高揚が交差し
一ミリも動けず聴き入ってしまう
素晴らしいパフォーマンスだった。

こうやって音楽の遺伝子は
演者と聴き手の双方に
幸せに受け継がれて行くんだな。

胸いっぱいのひとときでした。


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2012年09月06日

冒険は続く

上原ひろみ / Move (2012)

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 その日が近づくとソワソワした気分になる。発売日をこれほど待ち望んだアルバムは久しぶりだ。

 アンソニー・ジャクソン、サイモン・フィリップスとのトリオ編成による前作『Voice』は、2011年にリリースされた新譜の中で最も繰り返し聴いた一枚だった。とにかく聴いた。感じた。聴くたびあらたな発見があった。なにより、均整がとれていながらも、時折りそのトライアングルからはみ出る勢いと迫力を伴った、臨場感溢れるアンサンブルが最高にスリリングだった。

 それから1年半。届けられた新作『Move』は、その延長線上にある第二章ともいえるもの。3人の呼吸と相性の良さを、ライヴツアーによって強固にした成果を携え、さらなる高みへと自らを鼓舞しながら紡いだチャレンジの軌跡がいたるところに溢れている。

 アルバムのはじまりとなる表題曲「Move」の冒頭に描かれる目覚まし時計のアラーム音を模したイントロから、深夜24時を告げる時報のような音色でエンディングを迎えるラスト曲「11:49PM」まで、収められた表情の異なる9つのバラエティは、本作のテーマであるという「一日の時間の流れとともに動き変化する感情の移り変わり」を見事に映し出す。

 楽曲単位での起承転結もそうだ。変拍子や転調を伴った変化の多い骨格の土台に、さらに細かく異なるリズムを織り込む多重構造によりうまれる、安定しない乱気流のようなうねり。その起伏が一つのリズムとテーマに昇華していく音の連なりに、絶えず変化する人間の複雑な感情と体温の高低が見て取れる。エンディングにフェードアウトはない。生演奏が基本となっているこそゆえの自然な形ではあるのだろう。だが、問答無用に進む「時間」という流れを前に、喜怒哀楽という言葉では収まり切れない細やかな心情の揺れにケリをつけ渡り合うことの潔さを、ハッキリと「終わり」を告げる態度で彼女たち3人は肯定しているのだとも思いたい。その姿はひらける視界への歓喜に満ちているようで実に清々しい。

 そんな感情の積み重ねを描いた9曲。内面に刻まれる感情の起伏を、瞬時にビートと化し複雑さを伴いながら連打するリズムの連なりに、ロック的8ビートのシンプルなシャッフルのリズムをさらりと織り込むサイモン・フィリップスの意地とユーモア溢れる意気込みと、ここぞとばかりにアグレッシヴに切れ込むアンソニー・ジャクソンの、流麗になり過ぎないゴツゴツとした風格漂う屋台骨の一音一音。そんな彼らに一歩も退かず、二人の呼吸を余すところなく受け入れ、そのチカラをバネに高いテンションで対話する上原ひろみのパフォーマンス。そこにあるのは、高揚や平穏、高鳴りや迷い、そして歓喜といった、さまざまに変化する心情と向き合いながら前に進む彼女たちの、ガッツ溢れる眼差しとスピリットだ。

 たった3人とは思えないほど、緊張感ほとばしるスリルとリリカルな佇まいが交差する厚みある音空間は、ジャズの語法や素養をベースにしながらも、プログレやジャズロックにクラシック、加えて彼女の日常に横たわり育まれた日本人的叙情性が親しみのある印象的な音階やパッセージとなってそっと忍ばせられてもいる高い即興性が特徴的。そこに映る佇まいは、それら音楽エッセンスを意図して多面的に取り込もうとした試みでは決してなく、むしろ、上原ひろみという音楽家に蓄積された音楽的血肉の正体が、強靭でしなやかな二人のリズム隊との出会いで後押しされ化学反応したことで、フィルターなしであらわになった証しだと受け取りたい。そしてそれは、音楽的ジャンルの意味性など軽く飛び越える度量が切り開く、よろこびに満ちたチャレンジの憧憬に映るのだ。

 アルバムタイトルでもあり、文字通り「動く」という意味のほかに「感動する」などさまざまな意味を持つ「Move」という言葉。敢えて言うならそこに「冒険」という解釈を付け加えたい。手探り状態で「声」を発し合った1年半前から、世界中を巡り互いの歩幅を確かめ合った「冒険」の日々。辿り着いたかけがえのない「宝物」がここにある。一日が終わり、そしてまた一日がはじまる。冒険が続く限り、宝物はいつでも待ち遠しく、きっとまた僕をソワソワさせる。



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2012年08月26日

Brian Auger's Oblivion Express / Straight Ahead (1974)

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90年代はじめ、渋谷。今はなき中古レコードショップで試聴し、心ときめいた記憶。ジャズ、ソウル、ファンクへの憧憬を抱く鍵盤奏者による英国からの回答とも言うべき躍動がたどたどしくもシンプルに宿った一枚。オルガン主体のオーガーの鍵盤プレイの中で、表題曲「Straight Ahead」で聴ける軽妙なエレピと、シンコペイトするリズム隊のアンサンブルに、グルーヴへの希求が芽生えた。その後、レアグルーヴやフリーソウル文脈の中での再評価、あるいはサンプリングネタとして数多く重宝される現象は、オーガーの挑戦に時代が意図せずようやく追いついた証し。都合のよいマテリアルとしての共鳴とは別に、挑戦の先に当時オーガーが見た光景への共感が、そこにきっと重なり合っていると信じたい。

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2012年08月19日

続木徹さん


久しぶりに「Something For T.」のコーナーを更新しました。

第16回目にご登場いただくのは、日米混成の伝説のバンド「バンド・オブ・プレジャー」で、デヴィッド・Tと活動をともにした、続木徹さんです。

ぜひご一読ください!

http://homepage2.nifty.com/ueb/davidt/sft_top.html
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2012年08月15日

やっぱ凄いわ


マリーナ・ショウの来日公演が終了しました。

いやあ、今年も凄かった。。。
ずっとあの空間に浸っていたかったと、つくづく思いました。
皆さん体調も万全でなかったかもしれない中、
素晴らしいパフォーマンスの連続。
また来年も来てくれることを祈ってます。

てなわけで、セットリストとライヴレポートをアップしました!
とはいえ、セットリストといっても毎回違った選曲だったため
順番はあまり関係なく「こんな曲をやりました」という感じです。。。
http://homepage2.nifty.com/ueb/davidt/marlenashaw2012.html

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2012年08月01日

Oscar Peterson & Count Basie / Satch And Josh.....Again (1978)

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タイトルが示す通り、パブロレコードでの2作目の共演。いずれ劣らぬレジェンド二人が織り成す、繊細さの中に楽しさ溢れる紡ぎ合いの粋。アナログレコード時代でいうA面ラスト「Li'l Darlin'」ではピーターソンが、B面ラスト「Lady Fitz」ではベイシーが、それぞれエレピで、もう一人が奏でる生ピアノと対峙。スローテンポでも饒舌な語り口で奏でるピーターソンのエレピと、シャッフルリズムにシンプルながらも豊かに響くベイシーのエレピ。生ピアノとの対比でみせた二人のエレピの個性は、エレピというあらたな言語によって手探りで会話した本作を経て、翌年に三たび実現するセッションでひときわ柔和な表情となって浮かび上がる。笑みの絶えない弾んだ二人の会話は、いつまでも耳を傾けていたくなる居心地の良さだ。
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2012年07月23日

Oscar Peterson Quartet / Night Child (1981)

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巨匠だってたまにはエレピを使ってみたくなる。70年代後半、軽い気持ちで触ったあらたな武器に、なかなかイケるね、とばかりについつい時間を忘れてひと演奏。ほうほう、なるほどこんな感じかと、やっぱり生ピアノのほうがと思いながらも、夢中でアンサンブルを重ねる御大の余裕。エレピ特有の浮遊感を織り交ぜる幅広な表現の粋ものぞかせながら、ジョー・パスの一筆書き的ギターとの艶やかで雄弁な対話も、丁々発止なつば競り合いではなく、遊び心あふれる痛快さと核心を突く繊細さを伴ったアンサンブルが聴き手の表情をやわらげる。エレピらしい軽快な歩幅で紡ぐ「Teenager」や「Dancin' Feet」も、まるでいつも通り生ピアノを奏でているかのような、弘法筆を選ばず的饒舌スウィングが満載。ピーターソンはどこまでいってもやっぱりピーターソンなんだ。

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2012年07月15日

Maynard Parker / Midnight Rider (1973)

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ゴツゴツとしたタッチと肌触り。それがまた実に味わい深い個性で、オールマン・ブラザーズ・バンドの名曲として知られる表題曲もがらりと印象を変える素晴らしさ。A面での参加メンバーから一変し、リチャード・ティー(Key)、ジョー・ベック(G)、ロン・カーター(B)、グラディ・テイト(Dr)を配したB面ではパーカーのギターも白熱度が加速。疾走する主役のギターをジョー・ベックのリズムギターが静かに着実に支えるという構図で展開されるジャズファンクの数々はどれも甲乙付け難しの武骨な感触度120%。その肌触りをメロウに柔らかく中和するリチャード・ティーのエレピがあまりにも美しく響き、絶品の浮遊感を演出している。

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